ソダシの祖先も白毛なの?芦毛と白毛の違いって何?
昨今では、ソダシやハヤヤッコの活躍により、白毛馬がターフを駆け抜けるシーンもあまり珍しくありません。
しかし、白毛馬が生まれてくること自体は非常に稀で、突然変異でしか生まれないといわれています。その確率は約0.04%とのこと。
ただし、両親のどちらかが白毛だった場合、メンデルの法則によると約50%の確率で白毛馬が誕生します。
そう考えると、祖となる競走馬がこの0.04%の確率で誕生し、現在の白毛一族を築いたことになります。それが、1996年に突然変異で誕生したシラユキヒメです。
そこで今回は、シラユキヒメから系譜する白毛一族を追ってみました。
ソダシが世界初となる白毛馬として2020年にG1制覇を成し遂げましたが、今後の白毛馬たちに注目するためにも、今一度振り返ってみたいと思います。
白毛とは、前述のとおり突然変異で生まれます。
これは、同じ白い毛を持つ馬でも芦毛とは遺伝学的にまったく異なるものです。
芦毛は両親のどちらかが必ず芦毛なのに対し、白毛は必ずしも白毛から生まれるとは限りません。
なお、白毛馬の定義としては、肌がピンク色ということです。
これに対して芦毛は肌が黒い馬体をさします。要するに白毛か芦毛かの判断は、肌の色がピンクか黒かで決まるということになります。
また、肖像権・パブリシティ権に配慮し、特定の人物に類似させるための学習データ使用やプロンプト調整等はおこなっておりません。
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シラユキヒメは1996年4月4日、青鹿毛の父サンデーサイレンスと鹿毛の母ウェイブウインドとの間に白毛馬として誕生しました。
これは、約1,500頭ものサンデーサイレンス産駒の中で唯一の白毛馬となります。
ちなみにウェイブウインドは生涯で6頭の仔を生んでいますが、シラユキヒメ以外に白毛はいません。
そんな白毛馬として生まれたシラユキヒメはデビュー前から話題一色となりました。ところが、JRAで9戦するも勝ち星を上げることなく引退しました。
その後、サンデーサイレンスの血が入っている白毛馬として繁殖牝馬入りし、第2の馬生をスタートすることになりますが、ここから白毛馬の宿命を背負ったシラユキヒメの戦いが始まります。
シラユキヒメは、2002年から繁殖牝馬として北海道のノーザンファームで繋養され、2019年5月に亡くなるまで計12頭の仔を生みました。
そのうち、白毛馬として誕生したのは10頭です。
前述のメンデルの法則によると毛色が遺伝する確率は50%ですので、シラユキヒメは80%超という高い確率で白毛の仔を生んだことになります。
第1仔は、ブラックホークを父に持つ牡馬でシロクンと名付けられました。しかし、5戦未勝利で現役生活を終え、乗馬となり余生を過ごしています。
次にクロフネとの間に誕生した第2仔の牡馬ホワイトベッセルが、白毛馬として念願のJRA初勝利を挙げます。通算成績は17戦3勝、現在は誘導馬として活躍中です。
さらに同じくクロフネとの間に生まれた第3仔の牝馬ユキチャンが、2008年の関東オークス(Jpn2)を勝利し、白毛馬として初重賞制覇を成し遂げます。
現在、ユキチャンはすでに繁殖入りし、その主な子供たちは、ドレフォン産駒のハイアムズビーチが2勝クラス、ヘニーヒューズ産駒のアマンテビアンコがオープンクラスで実績を残しています。
ユキチャンからも大物が誕生することに期待したいですね。
なお、白毛馬ではないですが、2022年の京王杯スプリングカップ(G2)など、重賞を6勝している鹿毛のメイケイエールは、ユキチャンの第2仔であるシロインジャーの娘になりますので、毛色は異なりますが白毛一族です。
そして、シラユキヒメの第4仔となるママズディッシュは父のクロフネに似たのか芦毛馬として生まれ、10戦0勝で繁殖入り。
次にキングカメハメハとの間に生まれた第5仔の牡馬は、競走馬としては登録されていませんので、詳細は不明です。
第6仔のマシュマロは、父にクロフネを持ち、現役時代は12戦2勝と大きな活躍はできませんでした。
しかし、繁殖牝馬としては、初仔となるハヤヤッコが2019年のダート重賞であるレパードステークス(G3)と2022年の芝の重賞・函館記念(G3)と芝・ダート両方の重賞を制し、現在でも現役競走馬としてターフを駆け抜けています。
続く第7仔の牝馬ブラマンジェも父にクロフネを持ち、2012年にデビューするも3戦未勝利のまま繁殖入りし、現在3勝クラスで活躍するダノンハーロックを生みました。
この先の産駒にも期待が持てそうです。
第8仔のマーブルケーキは父がキングカメハメハで現役時代は24戦3勝の成績を残し繁殖入りしていますが、ここまで目立った産駒は生んでいません。
そして、第9仔として生まれたのが、父にキングカメハメハを持つブチコです。
馬名の由来は、白毛ながら鹿毛の斑が胴体に見られた更に珍しい毛色だったため、ブチコと名付けられたそうです。
そのブチコは、JRAで4勝を挙げるも重賞には手が届きませんでした。その後、現役を引退し繁殖入りし、2018年にクロフネとの間にソダシを生むことになります。
ソダシの血統を改めて確認すると、父はクロフネ、母ブチコ、その父はキングカメハメハで母はシラユキヒメ、そして祖母の父がサンデーサイレンスです。
血統だけを見れば、現在の日本競馬界を代表する血がぎっしりとつまっていますね。
ソダシは、2020年に函館競馬場でデビュー。そこから札幌2歳ステークス(G3)、アルテミスステークス(G3)、そして、阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)と4連勝で2歳牝馬女王に輝きます。
前述のとおり、これが白毛馬として世界初となるG1制覇となりました。
その後、ソダシは翌年の桜花賞(G1)も勝利し、古馬となってからもヴィクトリアマイル(G1)を制するなど、G1通算3勝という大活躍をみせ、2023年に現役を引退しました。
今後は、繁殖牝馬として、シラユキヒメから続く4代、5代と系譜を築き上げることに期待したいです。
そして、白毛ではないですが、ソダシの全妹にあたるママコチャが2023年のスプリンターズステークス(G1)を制したことで母としてブチコは名牝入りしたといっても過言ではありません。
次に第10仔のシロニイは父にキングカメハメハを持つ牡馬です。
現役時代では、重賞を勝つことはできませんでしたが、2021年の天皇賞・春(G1)に出走するなど、息の長い活躍をみせました。
現在では、阪神競馬場の誘導馬として、その美しい馬体を現役とは違った形でファンにお披露目しています。
さらに2015年にキングカメハメハとの間に生まれた第11仔の牡馬は競走馬登録がされていません。
そして、シラユキヒメ最後の仔となる第12仔のブッチーニも父にキングカメハメハを持つ牝馬で、姉のブチコと同じく白毛に鹿毛斑があります。
そのブッチーニも2023年6月のレースを最後に20戦3勝という成績を残して引退しました。
なお、引退年がソダシと同じになりますので、数年後には同い年の競走馬が誕生し、親戚同士で走り合う姿がみられるかも知れません。
また、肖像権・パブリシティ権に配慮し、特定の人物に類似させるための学習データ使用やプロンプトの調整等はおこなっておりません。
[使用ツール・モデル]
・DALL·E 3
・Firefly
・StableDiffusion
・Juggernaut XL(KandooAI)
今回は、白毛馬の祖先であるシラユキヒメの系譜を紹介しました。
白毛馬は他馬と比べて目立つため、その都度、注目されることが1つの宿命かも知れません。
しかし、そんな中で美しい馬体を揺らしながらターフを走る姿に多くの競馬ファンに感動をもたらしてくれています。
そして、この先もシラユキヒメの系譜は、ソダシを始めとする多くの白毛馬たちが継承していくものだと思われますので、今後も白毛馬には注目し続けたいですね。