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ミッキーアイル事件とは?

古馬マイル王ミッキーアイル


競馬において、G1競走は数あるレースの中でも最高峰に位置付けされており、JRAでは年間約3,400レースある内のわずか24レースしかありません。
そのため、G1レースを勝利した時には騎手をはじめとする関係者の喜びは計り知れないものです。

しかし、そんなG1レースにおいて過去に後味の悪い勝利で喜びが見られなかったケースをご存知でしょうか。
それは、2016年のマイルチャンピオンシップ(G1)でミッキーアイルが勝利したレースです。

ℹ AI生成
この画像・動画は、AIによって生成された架空のイメージであり、実在の人物・馬・団体等を描写したものではありません。
また、肖像権・パブリシティ権に配慮し、特定の人物に類似させるための学習データ使用やプロンプトの調整等はおこなっておりません。

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・Juggernaut XL(KandooAI)

そこで今回は、栄光の勲章を得ながらも勝利の笑顔がなかった通称『ミッキーアイル事件』について紹介したいと思います。
なぜ、古馬マイル王に輝いたミッキーアイルの関係者に喜びの声が上がらなかったのでしょうか。

卓越したスピードを持つディープ産駒


ミッキーアイルは、父ディープインパクトと母スターアイル、その父ロックオブジブラルタルという血統で2011年3月12日に北海道安平町のノーザンファームで生まれました。

ノーザンファームのイメージ画像
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デビュー戦では2着に敗れるものの、次走で勝ち上がると3戦目には朝日杯フューチュリティステークス(G1)に駒を進めようとします。
しかし残念ながら、ここは除外となってしまいます。

そこで代替レースとして、朝日杯と同条件であるひいらぎ賞(1勝クラス)に出走すると、翌日の朝日杯を勝ったアジアエクスプレスの1分34秒7よりも早い1分34秒2で勝利したことが、話題となりました。
その後も、ミッキーアイルは生まれ持った圧倒的なスピードを武器に2戦目の2歳未勝利から数えて、5連勝で一気にNHKマイルカップ(G1)を逃げ切りで勝利。世代のマイル王に輝きます。

古馬となってからは一時低迷期を迎えますが、短距離〜マイル適性はその卓越したスピードによって遺憾なく発揮され、スワンステークス(G2)や阪急杯(G3)などの重賞を勝利し、問題となった2016年のマイルチャンピオンシップに駒を進めました。

ミッキーアイル事件


曇り空の中、京都競馬場で行われた2016年のマイルチャンピオンシップ。
川田将雅騎手騎乗のサトノアラジンが単勝オッズ1番人気に支持され、クリストフ・ルメール騎手のイスラボニータが2番人気と続き、ミッキーアイルは主戦だった浜中俊騎手を背に3番人気でレースに臨みます。

レースでは、ミッキーアイルが好スタートからハナを切り最後の直線半ばまで先頭をキープ。
ハナを切ったレースでは3歳の安田記念(G1)で敗れた以外に負けを知らないミッキーアイルは、自身の勝利パターンに持ち込もうとしました。

しかし、相手はG1レースに出走する強豪馬ばかり。
そう簡単に理想の形には持ち込めず、徐々に後続馬との距離が縮まっていきます。
その時、のちに『ミッキーアイル事件』と呼ばれる出来事が起こります。

残り200メートルを切った付近で最内を走っていたミッキーアイルが、外側に大きく斜行。
この影響を受けて、馬体を併せていたライアン・ムーア騎手騎乗のネオリアリズム、その真後ろを追走するサトノアラジン、そして10番人気ながらも武豊騎手が騎乗したディサイファが接触してしまいます。

ミッキーアイル事件のイメージ画像
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特にディサイファは立ち上がるほど大きく体勢を崩しており、武豊騎手はあわや落馬というほどの不利を受けました。
しかし、レースではミッキーアイルが、そのまま逃げ切り、ゴールまでは大きな不利を受けながらも2着にはイスラボニータ、3着ネオリアリズム、4着がダノンシャーク、そして5着には1番人気のサトノアラジンが入線。

ただ、ミッキーアイルの大きな斜行がなければ順位が変わっていた可能性があるとされ、このレースは審議となりました。
多くの競馬ファンも大きく斜行したミッキーアイルの降着もあるのではと見ていましたが、JRAの制裁委員会から発表された答えは、たとえ不利がなかったとしてもミッキーアイルには、先着できなかったという判断から到達順位での確定でした。
こうして、ミッキーアイル自身、3歳のNHKマイルカップ以来、G1レース2勝目を挙げることになりました。

ただし、この斜行によって鞍上の浜中騎手は2016年11月26日から12月18日までの23日間の騎乗停止という非常に重い制裁が下されます。
そしてこの件についてレース後、浜中騎手は「気持ちのいいレースにならなかったのは、全て自分の責任。
ミッキーアイルは何1つ悪くありません」と馬を擁護するコメントを残し、管理する音無秀孝調教師は「迷惑をかけて申し訳ないです」と謝罪しつつ「ミッキーアイルの外側にネオリアリズムが、寄せたことにより浜中騎手が左鞭を入れることができず外に寄れてしまった」と浜中騎手を庇うようなコメントを残しました。

このようにミッキーアイルの関係者たちが、それぞれを擁護するコメントもありましたが、明確に誰が悪いというわけではないと思います。
それは、騎手をはじめとする関係者たちの真剣勝負において、発生した出来事であるからです。
しかし、かなり後味の悪いG1勝利になったことも否めません。

そのため、通常ならG1勝利後に恒例となっている勝利騎手インタビューは行われず、関係者たちは表彰式を終えると足早に去っていきました。
これは審議が長引いたことにより、最終レースが差し迫っていたからということも考えられます。
大勢の競馬ファンの前で勝利騎手インタビューを行った場合、批判が殺到する可能性を配慮されたこともあったのではないかと思います。

その後のミッキーアイルと浜中騎手


こうしてG1レース2勝目を挙げたミッキーアイルでしたが、次走の阪神カップ(G2)を1番人気で出走し、道中は果敢に逃げるも直線で失速し6着に敗れてしまい現役を引退。
種牡馬入りとなりました。

そして、種牡馬としてはナムラクレアやメイケイエールといった短距離からマイル戦線で活躍する多くの重賞勝ち馬を輩出し、早くも種牡馬として成功を収めています。
一方、メンタル面で相当なダメージを受けた浜中騎手は、一時は引退を考えるほどだったそうです。
それは、2012年に24歳でリーディングジョッキーを獲得した浜中騎手だからこその苦悩だったのかも知れません。

それでも騎手を辞めることなくトップジョッキーの1人として活躍をみせた浜中騎手は、2019年に現役19人目となる1,000勝を達成。
これは武豊騎手に次ぐ史上2番目の速さとなり、さらに2019年の日本ダービー(G1)でロジャーバローズで勝利。
見事ダービージョッキーに輝きました。

浜中騎手のイメージ画像
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また、肖像権・パブリシティ権に配慮し、特定の人物に類似させるための学習データ使用やプロンプト調整等はおこなっておりません。

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また、近年でもメイショウハリオで帝王賞(Jpn1)やかしわ記念(Jpn1)を制するなど、ここ一番の強さは変わりありませんので、再びリーディングジョッキーに返り咲く姿を見てみたいですね。

まとめ


今回は、ミッキーアイル事件について紹介しました。
ミッキーアイルと浜名騎手と聞けば苦い過去を思い出すこともありますが、実はこの人馬にはもう1つ夢の続きがあります。

それは、ミッキーアイルの代表産駒でもある娘のナムラクレアと浜中騎手がG1レースで勝利することです。
これまでナムラクレアと浜中騎手のコンビは、2023年および2024年の高松宮記念(G1)で2着、2023年のスプリンターズステークス(G1)でも3着と世代を代表する短距離馬でありながら、あと一歩のところでG1の勲章を手にすることができていません。

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浜中騎手とナムラクレアには、なんとかこの先のG1レースを勝利し、笑顔の見られなかった父ミッキーアイルとのG1勝利の思い出を払拭してほしいですね。

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